夢熊野


夢熊野
夢熊野

紀和鏡(きわきょう)の伝奇小説。

源為義が熊野で生ませた娘「鶴田原(たつたはら)の女房」の生涯を描いています。
鶴田原の女房は丹鶴姫とも呼ばれ、源行家の姉、源頼朝・義経・義仲の叔母であり、第19代の熊野別当の妻、第20代熊野別当の義姉、第21代熊野別当湛増の義母、第22代と第23代の熊野別当の母であり、熊野で最も大きな勢力をもった女性でした。

物語は熊野を中心に描く『平家物語』といった感じ。源平合戦時の熊野別当家の複雑な動きが丹鶴姫を中心として描かれています。

作者の紀和鏡は、戦後生まれで初の芥川賞受賞者となった中上健次の夫人。

元記事は「紀和鏡『夢熊野』:熊野の本」。